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media【事例公開】ウェブデザインコンペとは?失敗しない評価基準と自社採用サイトリニューアルの裏側

「ウェブデザインコンペの進め方が分からない」
「過去にデザインを感覚で選んでしまい、失敗した経験がある」
ウェブサイトを制作・リニューアルする際に、コンペ形式で業者を選定するケースがあります。いわゆるデザインコンペと呼ばれる選定方法ですが、より優れた業者を見つけるために有効な手段ではあるものの、明確な評価基準を持たずに進めると、本来の目的から逸脱するリスクもあります。
本記事では、ウェブデザインコンペの基礎知識から、発注者が陥りがちな失敗例までを解説します。さらに、株式会社ノベルティが自社採用サイトのリニューアルで行った「社内コンペの裏側」を特別に公開し、最適なウェブ制作会社を見極めるための具体的な評価基準をご紹介します。
もし、すぐにウェブサイトに関するお悩みを解決したいという方は、ぜひ以下のお問い合わせフォームからご相談ください。
そもそもウェブデザインコンペとは?

ウェブデザインコンペは、自社に最適な制作パートナーを見つけるための有効な手段です。ここでは、コンペの基本となる定義や、発注者側にとってのメリット・デメリットを整理します。
ウェブデザインコンペの定義と目的
ウェブデザインコンペとは、同一の要件(RFP:提案依頼書)を複数の制作会社やデザイナーに提示し、デザイン案や企画内容を競ってもらう手法です。
この手法を導入する最大の目的は、単に「見た目の良いデザインを選ぶこと」ではありません。提案プロセスを通じて、各社の課題解決能力やコミュニケーションの質を精査し、自社の目的を達成できる最適なパートナーを見極めることにあります。
ウェブデザインに関するコンペは、特にクラウドソーシングサイトなどを利用した場合に行われるケースがあります。実際に、クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサイトを検索してみると、以下のような約2割の案件でコンペ形式が採用されていました。
クラウドソーシングサイト名 | デザインの仕事・求人数 | デザインの仕事・求人数 | 仕事・求人数に対する |
|---|---|---|---|
712件 | 132件 | 18.5% | |
543件 | 101件 | 18.6% |
※2026年3月現在の掲載数をもとに表を作成
コンペ方式を採用する発注者側のメリット
コンペ方式を採用する最大のメリットは、幅広いアイデアやアプローチを一度に比較検討できる点にあります。1社だけでは得にくい新しい視点や表現に出会える可能性があります。
また、同じ要件に対する各社の解釈やアウトプットの違いを横並びで確認できるため、自社にとって最も説得力のある提案を客観的に選びやすくなる点も大きな利点です。
コンペ方式のデメリットと注意点
一方で、コンペ方式にはディレクション工数や選定に多大な時間がかかるというデメリットが存在します。複数社とのやり取りや、社内での意見調整には想像以上の労力が必要です。
さらに注意すべきは、明確な評価基準がないと「表面的なデザインの良さ」だけで選んでしまい、ミスマッチにつながるおそれがあります。
クラウドワークスやランサーズなどでウェブデザインコンペを実施する際にも、あらかじめ社内で評価の軸を定めておくことが欠かせません。評価基準については、後ほど詳しく解説していますので、そちらもぜひ参考にしてみてください。
ウェブデザインコンペで「失敗する」3つのあるある
コンペを実施したものの、期待通りのウェブサイトが完成しなかったというケースは珍しくありません。ここでは、発注者が陥りがちなやってはいけない選び方を3つの視点から解説します。
失敗1:決裁者の「主観的な好み」で選んでしまう
代表的な失敗の一つは、社長や担当者など決裁者の「主観的な好み」でデザインを選んでしまうことです。
ウェブサイトの目的は、あくまでターゲットユーザーに価値を届け、成果を上げることです。しかし、「青色が好きだから」「なんとなく今風だから」といった個人の感覚を優先すると、本来のブランドメッセージとのずれが生じるおそれがあります。
デザインコンペを評価する際は、個人の好みではなく、目的を達成できるかを最優先に判断する必要があります。
失敗2:「ターゲットユーザーの視点」が抜け落ちている
次に挙げられるのが、企業側が言いたいことばかりを詰め込み、ターゲットユーザーの視点が抜け落ちてしまう失敗です。
どれほど見栄えの良いウェブサイトでも、訪れたユーザーが知りたい情報にたどり着けなければ意味がありません。デザインコンペでは、発注者の要望をそのまま形にしただけの案よりも、ユーザーの利便性(UX)を深く考慮した提案を高く評価すべきです。
常に「誰のためのウェブサイトか」という視点を持ち続けることが重要となります。
失敗3:「実装・運用のしやすさ」を考慮していない
表面的な美しさだけでなく、実装・運用のしやすさも評価に含めることが必要です。
どれほど革新的なデザインであっても、開発時にシステムの負荷が高すぎたり、公開後の更新作業が複雑だったりすると、長期的には運用が行き詰まります。ウェブサイトは作って終わりではなく、育てていくものです。
そのため、コンペの段階から実装の現実性や保守性を考慮した提案を選ぶことが、将来的なコスト削減にもつながります。
プロはここを見る!コンペを成功に導く「4つの評価基準」
コンペを成功させるためには、提案を正しく見極める「評価基準」が不可欠です。「ノベルティらしさ」という抽象的なお題に対し、弊社が実際に設定した4つの基準を解説します。
基準1:コーポレートアイデンティティ(企業らしさ)の体現
第一の基準は、会社のビジョンや社風といったコーポレートアイデンティティが、デザイン全体で体現されているかという点です。
弊社ノベルティの事例でいえば、「柔軟性」や「伴走型」といった強みが、配色、フォント、レイアウトから自然と伝わってくるかを評価観点の一つとしました。
単に企業ロゴを配置するだけでなく、ブランドの空気感まで反映した提案は、求職者の共感を得やすくなります。
基準2:ターゲット(求職者)への適切な情報設計
第二の基準は、ターゲットである求職者に対する適切な情報設計(UI/UX)です。求職者がウェブサイトを訪れた際、会社の理念や募集要項、社員の声など、知りたい情報へ迷わずストレスなく辿り着けるかを厳しくチェックしましょう。
導線が複雑であったり、情報が詰め込まれすぎていたりするデザインは評価を下げます。具体的には、ウェブサイトの利用者が目的の情報にたどり着けず、結果的にコンバージョン(CV)に至らないといったケースも考えられるでしょう。
視覚的な美しさと同時に、徹底したユーザーファーストの設計がなされているかが重要な判断材料となります。
基準3:独自性と記憶に残るインパクト
第三の基準として、数ある制作会社の中で埋もれないための「独自性と記憶に残るインパクト」を評価します。
一般的なウェブサイトデザインのセオリーを守りつつも、ユーザーの印象に残るようなちょっとしたフック(遊び心や仕掛け)があるかどうかがポイントです。
既成概念にとらわれない斬新なアイデアを取り入れつつ、ビジネスとしての信頼感を損なわない絶妙なバランスが求められます。
基準4:実装の現実性と運用フェーズでの拡張性
最後の基準は、実装の現実性と運用フェーズでの拡張性です。デザイン画の段階では魅力的でも、自社のエンジニアが実際にコードを書いた際に、パフォーマンスが著しく落ちるような構成では意味がありません。
また、採用サイトは常に情報の追加や更新が発生するため、将来的なページの拡張や修正が容易に行える設計であるかも重要視されます。デザインと開発の橋渡しがしやすい現実的な提案は、有力候補になりやすいでしょう。
【実例公開】3名のデザイナーによる三者三様のアプローチ
ここからは、千葉県船橋市でウェブプロモーション支援を行う株式会社ノベルティの自社採用サイト事例を紹介します。
コンペのお題:「ノベルティらしい採用サイト」へのリニューアル
今回のコンペのテーマは、自社採用サイトのリニューアルを目的としており、最大のテーマは「ノベルティらしさ」をデザインでどう表現するかでした。
社内では、企業のビジョンや社風が求職者に伝わる構成かどうかを重視しました。企画段階では、ペルソナ設計やワイヤーフレーム作成も行いました。
A案:臨場感とリスペクトを喚起する「洗練&カジュアル路線」

A案は、当事者意識が高く自走できる「仕事ができる人」をターゲットに見据え、静止画面上に臨場感を演出したデザインです。従来の「楽しく親しみやすい」写真から、「業務に向き合う真剣な眼差し」や「熱意あるコミュニケーション」を捉えた写真へと一新しました。

これにより、求職者に「共に挑戦したい」という仕事仲間としてのリスペクトを抱かせる意図があります。洗練された印象を与えつつも堅苦しくないカジュアルさを保ち、トレンドを押さえた要素を取り入れることで、高いアンテナを持つ求職者にアピールする仕上がりとなっています。
【社内からのプラス評価】
記憶に残るインパクトと想像の余白
ファーストビューで具体的な写真を押し付けず、抽象的な3Dアイコンと「それぞれのチャンス」というキーワードにフォーカスしています。これにより、求職者自身が脳内で「自分のチャンス」を具体化できる点が優れています。また、青を基調としたモダンな配色は記憶に残りやすく、高いインパクトを与えます。
遊び心と信頼感の絶妙なバランス
最新トレンドを取り入れた独自性や遊び心を感じさせつつも、フォントやレイアウトが繊細に作り込まれています。「経験者」が置き去りにならない信頼感や、企業としての落ち着きが担保されている点が高く評価されました。
【社内からのマイナス評価(改善点)】
配色の明るさと視認性
全体的に青色が明るく設定されているため、日常的に画面を見て目を酷使しているウェブ業界の経験者にとっては、少し目が疲れやすい可能性があります。
細部のあしらいやスマートフォン対応
成長を意味する「Grow with us」に添えられた矢印が下向きであった点や、スマートフォン表示時にメッセージが不自然な位置で改行されてしまうなど、細かなUI/UX設計に調整の余地がありました。
B案:躍動感とものづくりのワクワク感を伝える「ダイナミック路線」

B案は、「前進と調和が生む、プロフェッショナルな躍動感」をコンセプトに掲げたデザインです。前進し続けるメンバーの姿を象徴する「斜め上へ傾いたライン」をモチーフとして採用しています。このダイナミックなレイアウトは、挑戦し続ける意志と前向きな成長の姿勢を視覚的に表現するものです。

クリエイティブな感性を持つ求職者に響くことを強く意識しており、単なる情報提示にとどまらず、ものづくりのワクワク感やノベルティという環境の魅力そのものを直感的に感じてもらうアプローチを狙っています。
【社内からのプラス評価】
情報の分かりやすさと親切な設計
ノベルティの企業イメージや大切にしているウェブアクセシビリティの要素が丁寧に説明されており、入社後にできることや目指せる未来がイメージしやすい、非常に親切な構成になっています。
心理的ハードルを下げる工夫と親しみやすさ
写真や動画をあえてモノクロにすることで、顔出しに抵抗がある実力派エンジニアの応募ハードルを下げる工夫がされています。また、人が登っていくあしらいなど随所に遊び心が散りばめられ、温かみを感じさせます。
【社内からのマイナス評価(改善点)】
ユニークさやフックの不足
丁寧で分かりやすい反面、他のウェブ制作会社と比較した際の「頭ひとつ抜けた意外性」がやや弱く、パッと見たときの記憶に残るインパクトという点では物足りなさを感じさせます。
ウェブサイト全体の統一感
ファーストビューでは力強さを感じる一方、スクロールすると温かみやカジュアルさが強くなり、デザインコンセプトに少しブレを感じます。また、ボタンの角丸の有無など細部の統一感に欠ける点が指摘されました。
C案:求める人物像を直感的に伝える「既視感のない独自性路線」
C案は、積極性や自走力といった求める人物像が一目で伝わることを最重視したデザインです。メインビジュアルに社員が主体的に議論し、コミュニケーションを取る様子を収めた動画を配置することで、入社後の働くイメージを直感的に湧かせる工夫が凝らされています。

さらに、ノベルティを箱やハードディスクのような曖昧なビジュアルで表現し、「既視感のないデザイン」を目指しました。「チャンスは自ら扉を開けてつかみ取るものである」というメッセージを、斬新な表現で訴求している点が大きな特徴です。
【社内からのプラス評価】
圧倒的なデザインセンスと独自性
箱や本にも見える曖昧なモチーフの採用が天才的で、一瞬で引き込まれるファーストビューに仕上がっています。モノトーンにビビッドカラーを効かせた配色は、最先端のデザイン組織であることを強くアピールできます。
クリエイティビティとウェブアクセシビリティの両立
斬新なデザインでありながら、背景色と文字色のコントラスト比などを緻密に計算しており、フロントエンドの技術力とウェブアクセシビリティへの高い意識が見事に体現されています。
【社内からのマイナス評価(改善点)】
無機質で身構えさせてしまう懸念
メインビジュアルが黒背景に白テキスト、かつ抽象的なモチーフであるため、洗練されている反面やや「無機質」な印象を与え、求職者が少し身構えてしまう可能性があります。
動画への依存と意図の伝わりにくさ
表現の多くを動画に依存する設計だったため、静止画ベースのコンペ段階では100%の魅力が伝わりづらく、モチーフの意味合いも含めて玄人向けに寄りすぎている懸念がありました。
最終結果:どのデザインが採用されたのか?

社内投票と厳正な審査の結果、最終的に自社採用サイトのデザインとして選ばれたのは「A案」でした。
最大の決め手となったのは、求職者の脳内に「自分にとってのチャンス」を具体化させる想像の余白を持たせた点と、記憶に強く残るアイコニックなインパクトです。「遊び心やトレンド感」と「信頼感」の両立が評価され、ノベルティが求める人物像にも合致すると判断されました。
もちろん、コンペ段階で挙がった課題は、その後の制作工程で調整を重ね、公開版では完成度を高めています。
6. まとめ:デザインコンペは「最適なパートナー」を見極める場
ウェブデザインコンペは、単なるデザインの品評会ではなく、自社の課題を深く理解し、ともに解決へと歩んでくれる「最適なパートナー」を見極めるための重要なプロセスです。
評価基準を明確にしないままコンペを実施すると、主観や表面的な美しさに流され、失敗するリスクが高まります。しかし、こうした明確な軸を持つことで、プロジェクト成功につながる提案を見つけやすくなるはずです。
今回の事例のように、コンペは自社のアイデンティティを見直す機会にもなります。今後ウェブデザインコンペの実施を検討される際は、ぜひ本記事の評価基準を参考に、自社にとって最高のパートナーを見つけてください。
とはいえ、「評価基準は理解したけれど、自社だけで最適な提案を見極める自信がない」「そもそもコンペの準備や進行に割くリソースが足りない」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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