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プロジェクトの鍵を握る制作会社のタスク管理

プロジェクトの鍵を握る制作会社のタスク管理
酒井 美貴
プロジェクトの鍵を握る制作会社のタスク管理

制作会社のプロジェクト管理には膨大な量のタスクを捌く作業が不可欠です。
長期プロジェクトやアサインされるメンバーが多い場合には、ディレクターやプロジェクトマネージャーから煙が出ることも。
この記事では、会社規模、プロジェクト規模に応じた弊社のタスクマネジメントについてお話ししたいと思います。

10名未満のアナログ管理期

創業当時、社長1人、社員1人だった弊社にはタスク管理のかけらもありませんでした。
全ては自分の頭の中に、せいぜいカレンダーかホワイトボードに書いてあれば良い方。
そんな状態でも特に不都合はなく、問題やミスもほとんどありませんでした。

3年目、5名を超えた頃に初めてツールでの管理を必要とする局面がやってきました。
同時進行の案件は時に10件以上、担当者はマルチタスクを常とし1つの案件にチームで携わるようになりました。
顧客対応の窓口を分け、社内共有する情報も増え、ホワイトボードではどうにもならなくなったのです。
徐々に問題は定義されながらも自社のこととなると後回しになりがちなもの。
この頃はGoogleカレンダーやスプレッドシートを駆使してタスク管理シートを運用していました。
かろうじてクラウドツールではありますが、十分アナログ管理と言っていいでしょう。

10名を超え、効率化ツール導入期

制作チームの社員が10名を超えた頃から、スプレッドシートでの管理に限界を感じることが増えてきました。
関数やマクロを駆使してフォーマット化するところまでは行っていましたが、入力の手間がかかるのとルール化が甘く、そもそも使用しなくても次のステップに進めてしまうため、活用が徹底されていませんでした。
そのため、完璧に活用できている人、ほとんど活用できていない人、全体会議の前に溜まっていた分の書き込みを行い漏れだらけの人、など状況はあまり良くありませんでした。

外部ツールの検討フェーズ

いよいよここへきて本格的なツールの導入を検討します。
そもそも私たちに合っているのはCRMなのか、グループウェアなのか、また、それらがどう違っていてどんなメリットがあるのか。
タスク管理、顧客管理を行うツールに絞り、10近いプロダクトにてトライアルや機能分析を行なっていましたが、どれもしっくり来ず・・・。
多用途のツールは使い勝手がいいものもありましたが、機能も多く高額なものが主流で、BtoBの制作会社にはオーバースペックなものばかり。
反対に、手軽に導入できるものはいまひとつ機能が足りないものや自社の業務内容に合わないものばかり。
BtoCのような顧客数が多い企業向けに作られているものがほとんどで、制作会社のような顧客数は限定的で膨大なタスクを管理し、顧客情報や外部API連携に強いサービスには出会えませんでした。

オリジナルグループウェアの開発

ツールの導入に頭を捻る中、「あれ、これって作ってしまえばいいのでは?」と、ふとだれからともなく出た呟きにより、オリジナルツールの開発が決定。
当然ながら自社で開発するものなので、欲しい機能を網羅し、使い勝手がいいように要件定義を行えば業務フローに沿った最高の管理ツールとなります。

今までも痒いところに手が届くツールを社内開発してきたので、ごく自然なことではあるのですが、グループウェアほどの開発を行うという発想はパッとは出てきませんでした。

そんな中でも作ると決まれば早いもので、社内ヒアリング、要件定義を含め3ヶ月ほどで実運用可能なレベルに。
この機動力はノベルティならではだと自負しています(笑)

今回のプロジェクトでは、顧客管理、プロジェクト管理、タスク管理、業務報告を主とし、社内チャットへの通知機能などこれまでの業務フローをひとつのツールで管理できるよう設計しました。
完全に「制作会社向けグループウェア」というニッチな仕様になっています。

ちょうど良いタイミングでエンジニアのリソースを確保できたことにより実現することとなりましたが、この決断で社内のタスク管理状況は格段に向上したと感じています。

今では全員がフル活用し、全てのタスクを管理、共有できていると思います。

そもそもタスク管理で何が変わるのか

スタンフォード大学の研究によると、一つのタスクに集中することで、生産性がなんと40%もアップするとされています。
小規模なチームでは、マルチタスクは通常運行、多い時には10を超えるタスクを積み上げている人もいるでしょう。
しかし、マルチタスクもこなすのはあくまで普通の人間なので、優先順位を設定し、ひとつずつ順番にこなしているだけということになります。
AIのように同時に複数の処理を回すことはできません。
タスク管理は、「何を」、「いつ」、「どのくらいの時間やリソースを使って行うか」、それを明確にすることで効率を格段にあげ、プロジェクト全体の円滑な進行に役立つのです。

タスク管理が最も重要なのはチーム戦の時

タスク管理は個人の可視化にも有効ですが、最も効果を発揮するのはチーム戦です。
チーム内の状況、プロジェクトの状況、クライアントの状況、管理しなければならないことは多岐に渡り、どこか一つでも疎かになればスケジュールに影響が出てしまいます。
1つのプロジェクトで発行されるタスクの数は30〜100程度に登ることも。

技術を売り物としている制作会社にとってスケジュールの遅延は致命的です。
毎回、「なんとしてもスケジュール通りに納品し、次のプロジェクトに入らなければいけない!」という強い意志でディレクションを頑張っていますが、タスク管理がツール化されていない頃を思い出すとゾッとします。

中小企業の現状

日本の中小企業でも、タスク管理ツールの導入は進んでいます。
ただし、自社の業務形態に最適な状態で使いこなせているところはまだまだ少なく、ツールの導入で満足してしまっている企業も多いようです。
TRの調査によると、60%の企業がタスク管理ツールを導入しているものの、その中で全社的に使いこなしているのは半数以下。
一部の社員や役職者のみが活用していたり、反対に一般職の社員は使用できているが、役職者が対応できておらず、アナログの報告業務を併用しているケースも多くあります。
ツールにより費用は様々ですが、コストをかけている以上フル活用できていないのはなんだか損をした気持ちになりますね(笑)

自社開発までして気がついたこと

弊社規模の制作会社でも一つのプロジェクトには5名以上のメンバーがアサインされます。
1つのページを完成まで持っていくだけでも吐かれるタスクは10件以上。
これを今までよくアナログな方法でこなしていたと思います。

ツールに入力する手間はかかりますが、それでも業務効率化の効果は十分に感じており、担当者が浮いてしまっているタスクや対応漏れ、確認漏れなどは格段に改善しました。
各工程の進行状況や過去の履歴が明確化するためスケジュールも切りやすく、先行して次のフローの準備まで行うことができています。

他社がどのようにしているかは分かりませんが、タスク管理や社内連携の重要性はきっと早い段階で感じていることと思います。
自社のこととなるとなかなか、という言い訳と共にアナリグ管理にマイナーチェンジを重ねてなんとかしてきましたが、もっと早くやるべきだったと反省。
全くもって偉そうなことを言える立場ではありませんが、制作会社のプロジェクト管理、タスク管理はちゃんとツールを導入して管理体制を整えるべきであると気付かされました。

実用化から半年ほど運用していますが、新たな機能の追加も検討しておりさらなる業務改善を目指していきたいと思います。

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酒井 美貴

酒井 美貴

CEO

現場たたき上げのオールラウンダー。 インハウス→Webベンチャー→フリーランス→法人化8期目で気がつけば業界15年。 機動力と行動力はまだまだ若いつもりで邁進していきます。

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