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mediaWebサイトに自由なURLを名付けることができる仕組みの全体像を簡単に解説

突然ですが、Webサイトに任意のドメインを紐付ける作業を任される、私のような駆け出しエンジニアやWeb担当者の方は多いのではないでしょうか。
皆さん、こんにちは。最近ようやくDNSの基礎的な理解が進んできて、カスタムドメインの業務をこなせるようになってきた、バックエンドエンジニアの奥野です。
過去の自分がそうだったように、今回は上記のような方々の「最初に技術的な全体観だけを軽〜く知りたい」という需要に役立てればいいなと思い、一筆したためた次第であります。
この記事でわかること
- カスタムドメインに関連する主要な技術的要素と名称
- URLとドメインの基本構造
- DNSの大まかな理解
それではさっそく始めましょう。
WebサーバーとIPアドレス
そもそも、私たちが公開するWebサイトは「物理的にどこに」あるのでしょうか?
答えは利用するホスティングサービスのWebサーバー上にあります。ホスティングとは簡単に言うと、サイトに関するデータをアップロードして公開することです。この章ではそのWebサーバーとIPアドレスについて軽く解説します。
Webサーバーは「土地」
Webサーバーとは、広義ではWebサイトのデータを保管し、ユーザーのブラウザからのリクエストに応じてそのデータを送信するコンピュータのことです。
この場合データとは主にHTML、CSS、JavaScriptファイル、画像などのことです。そしてWebサーバーから受け取ったこれらをブラウザがUIとして描画(レンダリングする)ことで、普段私たちが使っているWebサイトやWebアプリが画面に出現します。
一般的に知られているWebサーバーの種類としてはXserverなどのレンタルサーバーや、Cloudflareなどのクラウドサーバーがあります。
Webサイトを家に例えると、Webサーバーはその地盤となる「土地」とも言えるでしょう。
IPアドレスは「住所」
家や土地があれば、それを一意に識別するための「住所」のようなものがあるはずです。
それがIPアドレスであり、ネットワークに接続されたサーバーやPCなどすべてのコンピュータに割り当てられます。特にWebサーバーは、世界中のどこからでもアクセスできるように、世界中で重複しない「グローバルIPアドレス」 が割り当てられています。
例えば、今あなたがご覧になっているこのコーポレートWebサイトをホストしているサーバーのIPアドレスは現在76.76.21.21です。
安心してください。公開されていますよ。
というのも、このIPアドレスは noveltyinc.jp というドメイン名(後述)さえ知っていれば誰でもすぐに調べられる公開情報です。なのでドメイン自体がインターネット上に公開されている以上、同時にIPアドレスも公開情報です。つまりWebサーバーはIPアドレス自体を秘匿するのではなく、自らを保護するさまざまな方法によってセキュリティを担保しています。
家に例えると、住所それ自体はただの識別子であり秘匿することはできない、といった感じでしょうか。
しかしIPアドレスが住所だと理解したところで、ただの数字の羅列ではWebサイトを識別することは人間には不可能です。簡単に人間が識別できるような名前も必要そうです。それが先ほど少し紹介したドメインというものです。
ドメイン名とその取得方法
76.76.21.21 というIPアドレス(住所)上にあるこのWebサイトを noveltyinc.jp のように識別可能な名前として表現しているのが、「表札」とも言えるドメインです。
この章ではURLに使用されるドメインの構造とその名称を簡単に整理していきます。
URLの全体像
本メディアのURLは現在 https://noveltyinc.jp/media です。ドメイン構造を紹介する前に、その前後の文字列の意味を簡単に軽くだけ触れます。
https://:この部分はスキーム(通信方式)を指定する箇所であり、この例では「httpsという通信規格を使う」と宣言しています。他には例えば、自分のPCローカルに保存したHTMLファイルをブラウザで開けばfile:///home/ユーザー名/Desktop/hello.htmlのように表示されたりもします。/media:ドメイン名直後の/以降はすべて「パス」と呼ばれる部分で、通信相手のコンピュータ内の階層的な位置情報を示しています。
ドメインの構造
では本題のドメインの構造についてです。まずは実例を見てみましょう。

出典:株式会社日本レジストリサービス「用語解説|TLD(トップレベルドメイン」)」より引用
- TLD(トップレベルドメイン):
.jpや.comなど一番右の部分であり、そのドメインの最上位階層です。 - 2LD(セカンドレベルドメイン):
.co(会社組織)、.ac(大学)など。noveltyinc.jpのようにこれがない場合は本体部分が2LDとなる。 - 3LD(サードレベルドメイン):上記添付画像のような
.coがあるドメイン名の場合、本体部分はこれに当たる。
これらTLDから3LDまで(あるいは2LDまで)を合わせた example.co.jp が一般的に「ドメイン名」と呼ばれるものです。
技術的な文脈では「ルートドメイン」や「Apexドメイン」とも呼ばれます。
ドメインはドット "." で区切られた階層構造になっており、一番右端のTLDから順番に下位の要素を階層的に管理しています。

出典:株式会社日本レジストリサービス「用語解説|TLD(トップレベルドメイン」)」より引用
サブドメイン
実は、この階層構造を活用してルートドメインからさらに下位のドメインを作成すれば、別のWebサイトのドメイン名として利用することができます。
例えば noveltyinc.co.jp のサブドメインとして recruit. を登録したことで、 弊社専用の採用サイトのカスタムドメインをrecruit.noveltyinc.co.jp とすることができているわけであります!👏
ドメイン名の取得方法
さて、Webサイトに使用したいカスタムドメインが決まったら、それを購入する必要があります。
一般的にドメイン名は有料であり、レジストラと呼ばれるドメイン取得サービスを専門に行なっている会社から取得します。代表的な取得サービスとして以下があります。
利用したいレジストラでカスタムドメインを検索して利用可能かチェックできます。
試しにXServer Domainで noveltyinc と検索してみるとたくさん候補がありました。

よく見たら .monster なるTLDが上位に出てきて、さすがに笑ってしまいました。
でも実際ドメイン名がサイトの独創性に一躍買ってくれることもあるのでむげにはできないですね。
肝心の費用ですが、一般的に取得費用と更新費用があり、どちらもだいたい年間数百円〜数千円が相場のようです。
🤝 IPアドレスとドメインを紐付けるDNS
実は、カスタムドメインを購入しても、Webサイトと紐付けが完了するまでは使用できません。
その紐付け作業に必要なのがこのDNSの設定です。
ここまでカスタムドメインにまつわる基本知識を紹介するだけにとどまりましたが、このDNSについてはWebサイト担当者やエンジニアであれば実際に操作が必要になることもある非常に重要な要素です。
やはりこのDNS一つとってもかなり奥が深く、詳細な解説をしようとすると記事数本分にもなります。しかし今回は入門記事ですので、かなり省略して概略のみを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
DNS(Domain Name System)とは
カスタムドメインと、サイトをホスト(データをアップロード)しているWebサーバーのIPアドレスを紐付ける仕組みのことです。インターネット上に存在する言わば巨大な「住所録システム」に対して自分たちのWebサイトの情報を登録したり管理するためのものと言えます。
そして一般的にDNSは、Webサイトのホスト先サービスが提供していることが多いです。
基本的なDNSレコード3種
DNSレコードとは、ルートドメイン(例:noveltyinc.jp)ごとにDNSから設定できる、詳細な実際の紐付け情報群のことです。さまざまな種類がありますが、今回はその中でも基本的な3種類のみをご紹介します。
- Aレコード:ルートドメイン名あるいはサブドメイン名に対して、特定のWebサーバーのIPアドレスを指定するもの。冒頭に紹介した「Webサイトとドメインを紐付ける」目的に使用する最も一般的な紐付け情報。
- CNAMEレコード:ルートドメイン以外を対象に、値に指定した別のドメインへ遷移させるもの。例えば
www.というサブドメインに対してルートドメインを指定すれば、www.込みのURLが入力されたとしてもルートドメインへ遷移させることができる。 - MXレコード:そのルートドメイン向けに送信されたメール(例:送信先が
○○@noveltyinc.jp)を受信するメールサーバーを指定するもの。
このようにさまざまな種類のDNSレコードを必要な処理に応じて設定していくことで、意図したドメインをあなたのサービスに使用することができます。
このようなDNSレコードの設定が完了した暁には、ブラウザにそのカスタムドメインを入力すれば、あなたのWebサイトに到達します。リリースおめでとうございます!👏
最後に
今回はWebサイトに任意のURLを使用できるようになるまでを、本当に簡単に紹介してみました。
- WebサイトのデータはWebサーバー上に存在し、IPアドレスを持つ
- 人間が識別できるドメイン名は階層的な仕組みを持つ。また専門業者から取得する必要がある
- IPアドレスとドメイン名を紐付けるDNSの設定をする必要がある
実際の業務では複雑なビジネス要件が絡んできたり、技術環境特有の仕様に悩まされたりすることもあるかと思います。それに対して根気強く試行錯誤する方々の最初の出発点にこの記事が役立てば幸いです。
エンジニアの奥野がお送りしました。最後までご覧いただきありがとうございました。
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